2021-01-01から1年間の記事一覧
(新しいお話しの始め) 西マウイ北岸に住む マウイは、ヒナ・ラウ・アエとヒナの間に生まれた息子でした(*1)(N.1)。 彼らはマカリアと呼ばれる場所に住んでいました。 そこは西マウイのカハクロアの上方、すなわち山側にありました(N.2)。 カパ作りに追われる母…
(前回からの続き) メネフネたちが造ったに違いない モロカイ島カラウパパ近くにあるワイコルの断崖上に、一つのヘイアウが立っています(*1)(N.1)(N.2)。 そしてハワイの人々はこう信じています。 「あれを造ったのは他の誰でもない。きっとメネフネたちだ。」 …
(前回からの続き) メネフネたちが造ったもう一つのヘイアウは、ヒロのペペエケオにあります(*1)(N.1)。 ここでの彼らの仕事ぶりは、かなり変わっていました。 人々が石を集めメネフネが造った 材料の石を寄せ集める作業は、首長の指示の下に、地元の人々が進…
(新しいお話の始め) ヘイアウはメネフネの素晴らしさの象徴 メネフネは島々の色々な場所に、たくさんのヘイアウ(古代の神社)を造ったとして、高く評価されています(*1)(N.1)。 コハラのホノイプ近くには、モオキニ・ヘイアウがあります(N.2)。 このヘイアウは…
(前回からの続き) メネフネたちに出会う ケクプアは、首長カカエのこと細かな指示の全てに、忠実に従いました(*1)。 彼はプウヌイまでやって来ると、そこで日が暮れるまで待ちました。 すると、人間の声らしきものが、大勢でハミングするのが聞こえて来まし…
(前回からの続き) このようにメネフネたちがカヌーを完成させ、海へ引き出す準備が出来ました(*1)。 しっかり見張るんだぞ そこで首長のカカエはケクプアと従者たちに、 「しっかり見張るんだぞ。」 と言って、次のように指示しました。 「カヌーの先端部『プ』…
(前回からの続き) ワオラニの不思議な夜 (N.1) 真夜中、彼らは誰かがハミングする声を聞きました(*1)。 その声は、彼らのすぐ近くから聞こえて来ます。 しかし、洞窟の外をのぞいて見ると、誰一人いませんでした。 その後、夜明けと共に、洞窟の外は再び静寂…
(新しいお話の始まり) タヒチに行きたいのです 首長のカカエは、オアフ島のワイアルア、クカニロコ、ワヒアワに住んでいました(*1)(N.1)。 ある日、彼に向かって妻が言いました。 「是非とも私の弟カハナイアケアクアを、探しに行きたいのです。 きっと弟は、…
(前回からの続き) カヌーは森の中で完成していた それからラカは、坂道を上って森の中にやって来ました(*1)。 するとカヌーはもう完成しており、いつでも浜に向けて引き出せそうでした。 メネフネたちはラカにこう伝えました。 「あなたが建てた長い小屋に、…
(前回からの続き) メネフネがやって来た 神々に呼び掛けるチャントが終わると、今度はハミングや話し声が聞こえて来ました(*1)。 そしてそこは、またたく間に(マナワ・オレ)、人また人で溢(あふ)れ返りました。 集まった人は誰も彼も皆、倒れた木を起こそうと…
(前回からの続き) 穴に潜んで彼らを待つ おばあさんに言われて、ラカは再び山に入り、お誂(あつら)え向きの木を見つけました(*1)。 しかし彼はそれを切り始める前に、横に大きな穴を掘りました。 穴の中に 「カララ・カマヘレ(Kalala-Kamahele)」を倒れ込ませよ…
(前回からの続き) 木を切り終わって家に帰る ラカは、このおばあさんの助言に従いました(*1)。 そして、カヌーを造るための木を見つけに、山に入って行きました。 ちょうど良さそうな木を見つけると、彼は朝からその木を切り始めました。 そして日が沈むまで…
(前回からの続き) ラカが父を訪ねる 長く顔を見せなかったラカが、ある日、 久しぶりに父を訪ねてやって来ました(*1)。 ラカの顔を見ると、母はこう言いました。 「お父さんのことなら、おばあさんに聞いてみなさい。」 そのおばあさんは、彼に尋ねられてこう…
(新しいお話しの始め) 父ワヒエロアは首長 ワヒエロアは首長で、マウイ島キパフルのカライコイに住んでいました(N.1)(*1)。 彼は結婚して、ヒナハウェアを妻にしました。 やがて2人の間に、男の子が生まれました。 その子はラカと呼ばれた その子の育ての母…
(前回からの続き) 養魚池は未完成だった 以前、ピーはメネフネたちに、こう話したこともありました(*1)。 「フレイア川の曲がった所を壁で囲んで、養魚池を造りたいんです(N.1)。」 そして真夜中近く、メネフネたちはその仕事に取りかかりました。 しかし夜明…
(前回からの続き) ピーがメネフネにご馳走する この工事が完成すると、ピーは働いてくれたメネフネたちに、食物を振る舞いました(*1)。 そこで食卓を飾ったのは小海老(オパエ)でした(N.1)。 メネフネにとって、このオパエこそが唯一のご馳走なのです。 です…
(前回からの続き) メネフネを待つ 材料が揃(そろ)ったので次は工事です(*1)。 ピーは何時(いつ)、どの夜に、工事をするか決めました。 そしてその夜、彼はダムが出来る場所に行って、じーっと待ちました。 夜明けまでには完成だ 真夜中、もの音がして鼻歌が…
(新しいお話の始まり) 川から水を引こう! ピーはカウアイ島のワイメアに住む平民でした(N.1)(*1)。 彼はワイメア川にマノ(ダム)を造り、そこからキキアオラの近くまで、水路を引きたいと思っていました(N.2)。 この計画を実行するために、彼は初めに、それ…
(前回からの続き) メネフネは超自然的な存在 メネフネは超自然的な存在である、と考えられています(*1)。 そのメネフネは、彼らの上に立つ「ある者」の統治下にありました。 その「ある者」について、彼らはこう考えていました。 「パワーがあり、かつ、自分たち…
素晴らしい人たち メネフネは素晴らしい人たちだ、と思われていました(*1)。 彼らは背が低くて、非常に行動力があります。 どんな仕事を頼まれても、彼らはいつも一致団結して取り組みます。 たった一晩で完成だ また、メネフネには独特のルールがあります。…
(前回からの続き) メネフネはポリネシア人の祖先? ハワイには「クムホヌア」という伝説があります(N.1)(*1)。 フォルナンダーは、「この伝説の中で、ポリネシア人は選ばれた民だった」 と主張し、こう続けています(N.2)(*2)。 「ポリネシア人はメネフネの子孫で…
今でもメネフネは人気者 今でもハワイの人々は、メネフネに関する情報に、興味を持ち続けています(*1)。 そして、このエネルギッシュな人種について、時折、問い合わせを受けます。 その大半は漠然としたものですが、時には、有名な伝説の口承者(カアオ(kaao…
ハワイはブラウニーの故郷 「ハワイは小人の妖精『ブラウニー』たちの本当の故郷だ、少なくとも故郷だった。」 と知れば、きっと興味を持つ読者がいることでしょう(*1)。 しかも、ハワイの人たちはずーっと昔から、この 冒険好きの流浪の民(小人)を知っていた…
ハワイは旧大陸と似ている? 学生たちがハワイの民話を学ぶと、それが他の地域の民話と良く似ている事に気づきます(*1)。 興味深いハワイ民話の多くが、ハワイ以外の地や旧大陸(ヨーロッパ・アジア・アフリカ)で、伝承されてきたお話や、歴史に残る重要な考え…
ハワイの民話 スラムさんが 「ハワイの民話 (Hawaiian Folk Tales)」 を、シカゴの出版から世に出したのは、今から百年以上も前 1907年のことでした(*1)。 300ページ近くにおよぶこの著書は、全部で25章から成っています。 原則として各章に一つのお話しが収め…
新年おめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。