夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

014 ラカの冒険:(2) お父さんはどうしたの?


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(前回からの続き)

ラカが父を訪ねる

長く顔を見せなかったラカが、ある日、 久しぶりに父を訪ねてやって来ました(*1)。

 

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ラカの顔を見ると、母はこう言いました。

「お父さんのことなら、おばあさんに聞いてみなさい。」

 

そのおばあさんは、彼に尋ねられてこう答えました。

「お前のお父さんはハワイ島に行ったんだよ。

そしてその島で死んだ、と噂(うわさ)されているんだよ。」

 

月のような葉の木をお探し

この話を聞いて、ラカはおばあさんに教えを乞(こ)いました。

「お父さんを捜すには、どうしたらいいの?」

 

すると、おばあさんはラカに言いました。

「山に行きなさい。

 

そして、月の形をした葉の木を探すんだよ。

そう、ヒロの夜かホアカの夜、その夜の月に似た葉をつけた木だよ(N.1)。

それが、カヌーを造るのに良い木なんだよ。」

 

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(次回に続く)

 

(ノート)

(N.1) ヒロ(Hilo), ホアカ(Hoaka):

ヒロとホアカは共に、満ち欠けする月のハワイにおける呼称です。

ホアカは日本で言う三日月(みかづき)、そして、ヒロはその前日の二日月を指しています。なお、ヒロの前日はムク(Muku)で、日本で言う新月(一日月)です。

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Laka's adventure Thos.G.Thrum, p.111-114.