(前回からの続き)
メネフネたちが造ったに違いない
モロカイ島カラウパパ近くにあるワイコルの断崖上に、一つのヘイアウが立っています(*1)(N.1)(N.2)。
そしてハワイの人々はこう信じています。
「あれを造ったのは他の誰でもない。きっとメネフネたちだ。」
誰も行き着けない
そのヘイアウは、垂直に切り立った断崖から張り出した、岩棚の一番上にあります。
背後の断崖は、さらに100m近くも立ち上がっているので、どこからも近寄れません。
実際これまでに、あのヘイアウにたどり着けた人はいません。
上からそこを目指しても、また下から攻めても、誰一人たどり着けていないのです。
どうやって積み上げた?
そしてさらに不思議なのは、あのヘイアウに使われた材料です。
一見、海辺の石のように見える材料を、一体どのようにして、あそこに積み上げたのでしょう?
(終わり)
(ノート)
(N.1) カラウパパ(Kalaupapa):
カラウパパは、東西に細長いモロカイ島の中央部から、北に突き出した半島の名称です。
また、その半島の西側付け根部分の地名でもあります。
かつてハンセン病患者がこの地に隔離されたことから、現在は国立歴史公園に指定されています。
(N.2) ワイコル(Waikolu):
ワイコルは、カラウパパ半島東側の大きな渓谷(川)の名称ですが、アフプアアの名称でもありました。
かつて、人々はこの谷に住み、タロや他の食物を作っていたと言われています。
(注記)
(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, As Heiau Builders Thos.G.Thrum, p.116-117.