夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

025 ヘイアウを造る:(3) ワイコル(モロカイ島カラウパパ近傍)


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(前回からの続き)

メネフネたちが造ったに違いない

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モロカイ島カラウパパ近くにあるワイコルの断崖上に、一つのヘイアウが立っています(*1)(N.1)(N.2)。

そしてハワイの人々はこう信じています。

「あれを造ったのは他の誰でもない。きっとメネフネたちだ。」

 

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誰も行き着けない

そのヘイアウは、垂直に切り立った断崖から張り出した、岩棚の一番上にあります。

背後の断崖は、さらに100m近くも立ち上がっているので、どこからも近寄れません。

 

実際これまでに、あのヘイアウにたどり着けた人はいません。

上からそこを目指しても、また下から攻めても、誰一人たどり着けていないのです。

 

どうやって積み上げた?

そしてさらに不思議なのは、あのヘイアウに使われた材料です。

一見、海辺の石のように見える材料を、一体どのようにして、あそこに積み上げたのでしょう?

(終わり)

 

(ノート)

(N.1) カラウパパ(Kalaupapa):

カラウパパは、東西に細長いモロカイ島の中央部から、北に突き出した半島の名称です。

また、その半島の西側付け根部分の地名でもあります。

かつてハンセン病患者がこの地に隔離されたことから、現在は国立歴史公園に指定されています。

(N.2) ワイコル(Waikolu):

ワイコルは、カラウパパ半島東側の大きな渓谷(川)の名称ですが、アフプアアの名称でもありました。

かつて、人々はこの谷に住み、タロや他の食物を作っていたと言われています。

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, As Heiau Builders Thos.G.Thrum, p.116-117.