お話しおじさん

古典的なお話しをご紹介しましょう。

008 モケ・マヌさんが語る:(2) 声はすれども姿は見えぬ

(前回からの続き)

メネフネは超自然的な存在

メネフネは超自然的な存在である、と考えられています(*1)。

そのメネフネは、彼らの上に立つ「ある者」の統治下にありました。

 

その「ある者」について、彼らはこう考えていました。

「パワーがあり、かつ、自分たちを支配する権限がある。」

 

その「ある者」 が、メネフネを色々な山や丘に割り振りました。

そして彼らは各々に示された地に、ずーっと住み続けたのでした。

f:id:o_hanashi:20210219203032j:plain

パパとワケアの時代が来るまでは、唯一このメネフネだけが、ハワイ諸島の住民だったと言われています(N.1)。

 

声はすれども姿は見えぬ

メネフネの姿は、普通の人々には見えませんでした。

彼らを見れるのは彼ら自身の子孫、または子孫と何らかの繋(つな)がりがある人だけでした。

その反面、メネフネの声や鼻歌は、多くの人々に聞こえたのでした。

しかし、メネフネを自分の肉眼で見るという素敵な贈り物は、彼らの血縁者だけに与えられたのでした。

 

メネフネは、子孫たちからお願いされると、いつも喜んで引き受けました。

そして超自然的なパワーを発揮して、幾つかの素晴らしい作品を完成させたのでした。

 

(終わり)

 

(ノート)

(N.1) パパ(Papa)とワケア(Wakea)の時代が来るまで:

f:id:o_hanashi:20210219203429j:plain

パパとワケアは各々、ハワイの創世神話ムリポ(Kumulipo)に登場する、大地の女神と天空の神です。

神話の中でパパは、ハワイの島々を生みながら一時期タヒチに帰っています。

このことから「パパとワケアの時代」とは、タヒチからの移住者によるハワイ創世神話の時代、を指すと思われます。

そうすると、「パパとワケアの時代が来るまで」とは、「タヒチからの移住が始まる前」を指すと言えそうです。

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Moke Manu's Account Thos. G. Thrum, p.109-110.