ハワイは旧大陸と似ている?
学生たちがハワイの民話を学ぶと、それが他の地域の民話と良く似ている事に気づきます(*1)。
興味深いハワイ民話の多くが、ハワイ以外の地や旧大陸(ヨーロッパ・アジア・アフリカ)で、伝承されてきたお話や、歴史に残る重要な考えなどと一致しているのです。
民話だけでなく、ハワイの昔の人々の習慣についても、ある程度、同じことが言えます。
その理由は謎のまま
しかし、「なぜ旧大陸の民話と一致するのか?」 を解き明かすのは困難です。
なぜならば、何よりもまず、ハワイ人が文字を持たなかったからです。
そのため謎解きの手がかりも、文字として残ることはなく、また子孫にも受け継がれませんでした。
聖書の歴史物語と似ている
フォルナンダーらは、ハワイの人々の伝説の中に、聖書に似た部分を発見しました。
たとえば、大洪水、太陽が止まる、そしてこれ以外でも、聖書の歴史物語に似ている部分があるのです(N.1)。
ある学者たちはこの発見を受けて、それはハワイ人の祖先がアーリア人であることの証(あかし)だ、としています。
伝統ある幻の種族
しかし、今この主張について議論するつもりはありません。
ここではその代わりに、もう一つの伝統ある種族をご紹介したいのです。
彼らはこれまでずーっと、顧みられることがありませんでした。
しかし、素晴らしく興味深い人達であること受け合いです。
どうぞお楽しみに!
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) 大洪水(Flood)、太陽が止まる(standing still of the sun):
「大洪水」とは、旧約聖書の中の「律法[モーゼ五書]」、第1巻:創世記、第6〜9章:ノアの方舟、を指します。
「太陽が止まる」とは、旧約聖書の中の「歴史書」、第6巻:ヨシュア記、第10章:カナン南部の戦い、に記された 「日よとどまれギブオンの上に--」 を指します。
(注記)
(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X.Stories of the Menehunes, Hawaii the original home of the brownies, T.G.Thrum, p.107-109.