(新しいお話の始め)
ヘイアウはメネフネの素晴らしさの象徴
メネフネは島々の色々な場所に、たくさんのヘイアウ(古代の神社)を造ったとして、高く評価されています(*1)(N.1)。
コハラのホノイプ近くには、モオキニ・ヘイアウがあります(N.2)。
このヘイアウは、メネフネたちの仕事の素晴らしさを、実証するものとして注目されています。
ポロル渓谷の石を使え
建設場所として選ばれたのは、草深い平原でした。
この工事に使う石を選ぶ中で、どういうわけか、
すぐ近くで採れる石は良くない、とされてしまいました。
そして代わりに選ばれたのは、20Km近くも離れたポロル渓谷の石でした。
一列に並んで手渡しだ
言い伝えによるとメネフネたちは、採石場から建設場所まで、延々と一列に並んだのだそうです。
その列はポロルからホノイプまでの全距離に渡っていました。
こうしてメネフネたちは、工事に必要な全ての石を、手から手へと渡して運んだのでした。
そして一夜のうちに完成
工事は夜の静寂と共に始まりました。
そして翌朝、雄鶏が最初に鳴く夜明けには、もう終わっていました。
たった一夜のうちに、あのモオキニ・ヘイアウが完成したのでした。
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) ヘイアウ(heiau):
ヘイアウとは、かつてのハワイの人々が神を祀(まつ)った施設で、日本で言う神社のようなものです。
その大きさや形状は多種多様で、床面一つ見ても、石を入念に敷き詰めたものから、土を均しただけのものまであります。
(N.2) モオキニ・ヘイアウ(heiau of Mookini):
モオキニ・ヘイアウは、ハワイ島ノース・コハラにある最大級のヘイアウです(*2)。
その平面寸法は、約75m X 約39mに及び、壁の高さは約2〜4mに変化しています。
数多いヘイアウの中でも最も古く、かつ神聖なものの一つとされています。
現在のヘイアウは、13〜14世紀にハワイに宗教をもたらした、パアオ(Pa'ao)により造られたと考えられています。
一方、伝承によると、メネフネにより一晩で造られた、とされています。
(注記)
(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, As Heiau Builders Thos.G.Thrum, p.116-117.
(*2) U.S. National Park Service: Mo'okini Heiau.