夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

018 ラカの冒険:(6) カヌーとご馳走


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(前回からの続き)

カヌーは森の中で完成していた

それからラカは、坂道を上って森の中にやって来ました(*1)。

するとカヌーはもう完成しており、いつでも浜に向けて引き出せそうでした。

 

メネフネたちはラカにこう伝えました。

「あなたが建てた長い小屋に、今夜、このカヌーを運ぶよ。」

 

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ハミングに合わせてカヌーを運ぶ

そして真夜中、メネフネたちのハミングが聞こえました。

 

いよいよカヌーを持ち上げる作業が始まったのです。

カヌーを運ぶ時は、引きずるのではなく、手で持ち上げるのです。

 

2番目のハミングで、カヌーはプエオのハロアメキエイへ運ばれました。

そして3番目のハミングで、長い小屋の中に注意深く置かれました。

 

こうしてカヌーはメネフネたちにより、一夜のうちに注意深く、ラカの小屋に収められたのでした。

 

メネフネたちにご馳走する

さあ今度は、ラカがメネフネたちにご馳走する番です。

 

働き者メネフネたちのために、食物と魚が所狭しと並べられました。

食物ではタロの茎、そして魚はオパエ(小海老)とオオプ(ハゼの仲間)です。

 

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やがて夜が明けると、メネフネたちはご馳走に満足して、彼らの家に戻って行きました。

 

消えゆく遺跡

カヌーを収めた長い小屋の名前は、クアハラウと言いました。

 

つい数年前までは、その基礎の跡を見ることが出来ました。

しかし残念ながら、今ではその跡さえも、掘り起こされてしまいました。

 

一方、ラカが木の横に掘った穴は、今も残っています。

 

(終わり)

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Laka's adventure Thos.G.Thrum, p.111-114.