ハワイはブラウニーの故郷
「ハワイは小人の妖精『ブラウニー』たちの本当の故郷だ、少なくとも故郷だった。」
と知れば、きっと興味を持つ読者がいることでしょう(*1)。
しかも、ハワイの人たちはずーっと昔から、この 冒険好きの流浪の民(小人)を知っていたのです。
--- スウィフトが風刺心で、リリパットの小人たちを描くよりも、ずーっと前から(N.1)。
しかし、どの国にも小人(ブラウニー)たちは居る、と期待するのは行き過ぎでしょう。
また、ハワイの小人たち固有の特徴までも、他の国のブラウニーに期待するのも、行き過ぎでしょう。
メネフネってどんな人?
伝承によると、彼らは一つの種族だ、と言われています。
そして彼らは誰もが皆、素早く仕事をこなす優秀な労働者なのです。
特権階級のしゃれ男なんかじゃないし、かと言って、警察官ともずいぶん違います。
もち論、今の有名スポーツ選手たちとも違って、好奇心旺盛だったりお茶目だったりもしません。
この「メネフメ」の名で知られ、元祖であり血統が純粋のブラウニーたちは、とても勤勉な種族だと伝えられています。
メネフネは本当に居た
ハワイの人々の心にメネフネが深く根付いているのは、彼らに驚異的なパワーがあるからです。
そして山のように膨大な作業も、ほんの短時間で片付けてしまう、と伝えられています。
多くのハワイの人々は、島々の色々な場所に残る、メネフネが造った建造物遺跡を例に挙げます。
そしてその遺跡こそが、メネフネがいたという伝承を、裏付けるものだと主張するのです。
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) スウィフト(Swift)、リリパットの小人たち(Lilliputians):
J. スウィフトは、18世紀前半に西欧で活躍した、アイルランドの風刺作家です。
彼は、1726年に出版した「ガリバー旅行記」で、リリパット国に住む小人たちを描きました。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X.Stories of the Menehunes, p.107-109.