(前回からの続き)
メネフネを待つ
材料が揃(そろ)ったので次は工事です(*1)。
ピーは何時(いつ)、どの夜に、工事をするか決めました。
そしてその夜、彼はダムが出来る場所に行って、じーっと待ちました。
夜明けまでには完成だ
真夜中、もの音がして鼻歌が聞こえて来ました。
そうです、メネフネたちの声です。
彼らはキキアオラに向けて、1人1つずつ石を運んでいる所でした。
ダムはきちんと計画通りに出来上がりました。
どの石もみな1つ1つが、良く合った場所に積まれています。
また石積のアウワイ、すなわち「水路」も、キキアオラの曲がり角あたりに設けられました。
こうして夜明け前までには、すべての工事が完成しました。
それ以後、ワイメア川の水はダムにより方向を変え、水路を通ってワイメアの平原に流れ込むようになりました。
(次回に続く)
(注記)
(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Pi's Watercourse Thos.G.Thrum, p.110-111.