夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

010 ピーの水路:(2) メネフネは夜働く


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(前回からの続き)

メネフネを待つ

材料が揃(そろ)ったので次は工事です(*1)。

ピーは何時(いつ)、どの夜に、工事をするか決めました。

そしてその夜、彼はダムが出来る場所に行って、じーっと待ちました。

 

夜明けまでには完成だ

真夜中、もの音がして鼻歌が聞こえて来ました。

そうです、メネフネたちの声です。

彼らはキキアオラに向けて、1人1つずつ石を運んでいる所でした。

 

ダムはきちんと計画通りに出来上がりました。

どの石もみな1つ1つが、良く合った場所に積まれています。

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また石積のアウワイ、すなわち「水路」も、キキアオラの曲がり角あたりに設けられました。

こうして夜明け前までには、すべての工事が完成しました。

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それ以後、ワイメア川の水はダムにより方向を変え、水路を通ってワイメアの平原に流れ込むようになりました。

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(次回に続く)

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Pi's Watercourse Thos.G.Thrum, p.110-111.