夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

160 カアラとカアイアリイ:(14) 母の危篤を知る

(前回からの続き ) 父が母の危篤を告げる さてその朝、血色良い茶色の頬(ほお)の少女(カアラ)は、眩(まぶ)しい愛の兆(きざ)しに顔を紅潮させながら、 ご主人(カアイアリイ)の小屋の入口に立ちました。 彼女の顔面は、太陽の光を受けてキラキラと輝いていまし…

159 カアラとカアイアリイ:(13) 父の怒りと決意

(前回からの続き ) カアラの父が嘆く これを見て、頑丈そうだが白髪混じりの島の男が、泣きながら声を張り上げて訴えました(*1)。 「カアラよ、私の子カアラが行ってしまった。 私がオフアを槍で突く漁から帰った時、一体誰が、私の手足の疲れを癒してくれる…

158 カアラとカアイアリイ:(12) さあ勝利の宴だ

(前回からの続き ) 大王がカアイアリイの勝利を宣言する 「よーし!」 と 大王が叫びました(*1)。 「我らの若者(カアイアリイ)は、カネコアのように強いぞ(N.1)。 さあ、我らの娘さん(カアラ)に、彼女が愛する人の手足をもんで、癒してもらおう! 彼の皮膚を…

157 カアラとカアイアリイ:(11) マイロウが倒れる

(前回からの続き ) 攻撃のチャンスを狙う そして今や、彼らは両腕を高くかざして、互いに相手を引き寄せ合いながら、満身の力を込めて両手のひらを広げます(*1)。 それはちょうど、筋骨隆々としたカニのハサミが、獲物にぐいっと掴(つか)みかかろうとしてい…