今でもメネフネは人気者
今でもハワイの人々は、メネフネに関する情報に、興味を持ち続けています(*1)。
そして、このエネルギッシュな人種について、時折、問い合わせを受けます。
その大半は漠然としたものですが、時には、有名な伝説の口承者(カアオ(kaao))たちからも尋ねられます。
彼らは、メネフネに関する知識を、より一層深めようとしているのです。
メネフネって本当に居たの?
しかしハワイの人々の間でも、当然ながら、メネフネに対する考え方はさまざまです。
(1) ハワイ諸島の先住民だった
ある人たちは、厳粛にそして尊敬の念を抱いて、メネフネと向き合っています。
彼らは、メネフネについて、こう信じているのです。
『もともとメネフネは、このハワイ諸島に住んだ最初の住民だった。
しかし少しずつ、体の大きい種族に追いやられ、やがて取って代わられてしまった。
そして、この体の大きい種族こそが、現在のハワイ人の祖先だ(N.1)。』
(2) 歴史の中に埋もれてしまった
また他の人たちは、色々と考えた末、こう言います。
『メネフネという種族の歴史は、長い年月が経過する中で、忘れ去られてしまった。
そして今では、顧みられること無く埋もれている。』
(3) 伝説上の種族だ
一方、より知性や教養のある人たちは、こう考えています。
『メネフネは伝説上の種族で、西欧のノームやドワーフと同じだ(N.2)。
『人々は、彼らの超自然的な活躍を楽しみながら、そのお話を語り継いで来た。
--- ちょうど、おとぎ話が語り継がれるように。』
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) 現在のハワイ人(the present race):
ここで言う「現在のハワイ人」とは、欧米人のハワイ発見前からハワイに住んでいた人々で、ハワイ先住民(Native Hawaiians)と呼ばれています。
彼らの先祖は、太平洋を渡ってハワイ諸島に移住した、ポリネシア人だと言われています。
ノームは、16世紀に錬金術師パラケルススが提唱した大地を司る妖精です。長いひげを生やした老人のような風貌の小人です。
ドワーフは、古くからゲルマン民族の間に伝わる長ひげの小人です。山や地中に住み、鍛冶や石工の技能が高いと言われます。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X.Stories of the Menehunes, p.107-109.