(前回からの続き)
ピーがメネフネにご馳走する
この工事が完成すると、ピーは働いてくれたメネフネたちに、食物を振る舞いました(*1)。
そこで食卓を飾ったのは小海老(オパエ)でした(N.1)。
メネフネにとって、このオパエこそが唯一のご馳走なのです。
ですからピーは、彼らみんながオパエを腹いっぱい、食べれるよう気を配りました。
そして自分には、一匹の魚を用意しました。
メネフネはオパエに大満足
大好きなオパエを思う存分食べ、メネフネたちは大満足でした。
やがて夜が明けると、彼らは大喜びでプウカペレの山々に帰って行きました。
そしてこの時の彼らのハミングから、こんな諺(ことわざ)が生まれました。
『カウアイ島の、プウカペレで歌うメネフネのハミングが、
オアフ島コオラウポコの、カワイヌイ池に住む鳥たちを驚かせた。』
ピー(Pi)のアウワイ(水路)は、キキアオラに行けば、今でも見ることが出来ます。
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) オパエ (opae):
オパエは英語の"shrimp"に対応するハワイ語で、日本語で「小海老(こえび)」と呼ばれる「小型のエビ」を指しています。
オパエには、いくつもの種 (例:ʻō.pae ʻula、ʻō.pae kai、ʻō.pae kolo )があります。
このうちで最も代表的なのが 「オパエ・ウラ(ʻō.pae ʻula)」、すなわち 「赤い小海老」です。
(注記)
(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Pi's Watercourse Thos.G.Thrum, p.110-111.