夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

011 ピーの水路:(3) ご馳走に大満足


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(前回からの続き)

ピーがメネフネにご馳走する

この工事が完成すると、ピーは働いてくれたメネフネたちに、食物を振る舞いました(*1)。

そこで食卓を飾ったのは小海老(オパエ)でした(N.1)。

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メネフネにとって、このオパエこそが唯一のご馳走なのです。

ですからピーは、彼らみんながオパエを腹いっぱい、食べれるよう気を配りました。

 

そして自分には、一匹の魚を用意しました。

 

メネフネはオパエに大満足

大好きなオパエを思う存分食べ、メネフネたちは大満足でした。

やがて夜が明けると、彼らは大喜びでプウカペレの山々に帰って行きました。

 

そしてこの時の彼らのハミングから、こんな諺(ことわざ)が生まれました。

『カウアイ島の、プウカペレで歌うメネフネのハミングが、

オアフ島コオラウポコの、カワイヌイ池に住む鳥たちを驚かせた。』

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ピー(Pi)のアウワイ(水路)は、キキアオラに行けば、今でも見ることが出来ます。

(次回に続く)

 

(ノート)

(N.1) オパエ (opae):

オパエは英語の"shrimp"に対応するハワイ語で、日本語で「小海老(こえび)」と呼ばれる「小型のエビ」を指しています。

オパエには、いくつもの種 (例:ʻō.pae ʻula、ʻō.pae kai、ʻō.pae kolo )があります。

このうちで最も代表的なのが 「オパエ・ウラ(ʻō.pae ʻula)」、すなわち 「赤い小海老」です。 

 

(注記)

(*1) T.G.Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, X. Stories of the Menehunes, Pi's Watercourse Thos.G.Thrum, p.110-111.