夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

140 プウペヘの墓:(2) うら若き乙女と若き戦士


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(前回からの続き)

プウペへの美しい肌・髪・目

この乙女プウペへは、ハワイに美しく咲き誇る、甘い香りの花のようでした。

 

彼女の肌はつややかな褐色で、しみ1つありませんでした。

「そしてちょうど、ハレアカラ山から昇る鮮やかな太陽、のように光り輝きました。」

 

 

彼女の髪は垂れ下がってカールし、レフナの花輪で束ねられていました。

 

その髪は彼女が走ると、流れるように前方に揺れました。

「それはあたかも、打ち寄せる波の峰が白く砕けて、風の先にスゥーッ!と飛び出すようでした。」

 

そして、星のようにキラキラ輝く目、あのウアウアの美しい娘の目が、

若き戦士の理性を奪ってしまったのでした。

 

涙でかすんだ目

こうして彼はマカケハウ、すなわち「涙でかすんだ目」、 と呼ばれるようになりました。

 

このハワイの勇者は、彼の愛(いと)しい捕虜プウペへの、あまりの美しさに不安でした。

そしてこの地の首長たちが、彼女を奪おうとするのでは?と恐れていました。

 

彼の魂は、彼女の全てを独占し続けようと、強く望んでいたのです。

 

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907):Hawaiian Folk Tales, 16. The Tomb of Puupehe,  A Legend of Lanai,  From "The Hawaiian Gazette", p.181-185.