夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

088 カハラオプナ:(13) 尾根の斜面を登る

(前回からの続き)

険しい山の斜面を登る

カウヒはその女性の近くまで上って来ると、自分の後についてくるように命じました(*1)。

 

 

2人は、マノア渓谷とヌウアヌ渓谷を分かつ尾根の、斜面を登って行きました。

この急な山の尾根を登ることは、優しく愛情深く育てられた乙女にとって、大変な重労働でした。

 

ある時は、イバラが絡み合う薮(やぶ)を通り抜けました。

そしてまたある時は、むき出しの岩肌を背にしながら、揺れ動く蔓(つる)にしがみついたのでした。

 

しかし、カウヒが彼女に救いの手を差し伸べることは、決してありませんでした。

 

それどころか、彼はひたすら進み続けました。

たまに振り返るのは、彼女がついて来るのを確かめる時だけでした。

 

尾根にたどり着く

やがて彼らは分水嶺の頂部、すなわち山の尾根に着きました。

彼女の体は切り傷や打撲のあざだらけで、パーウー(スカート)はボロボロにちぎれていました(N.1)。

 

石の上に座って呼吸を整えると、彼女はカウヒにこう尋ねました。

「私たちはどこに向かっているの?」

(次回に続く)

 

 

(ノート)

(N.1) パーウー(pa-u):

パーウーとは、かつてハワイの女性が着ていた代表的な衣服です。膝丈ぐらいのカパ布5枚程度を腰に巻き付け、スカート状にしたものです(*2)。

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina, p.118-132.

(*2) L. Andrews(,Rev.H.H.Parker)(1922): A Dictionary of the Hawaiian Language, Published by the Board, Honolulu,Hawaii, p.534.