(前回からの続き)
カウヒがカハイアマノに着いたのは、ちょうどお昼頃でした(*1)。
それから彼はすぐに、カハラオプナの家の前に姿を現しました。
カハラオプナの目覚め
その時、彼女はちょうど目を覚ましたところでした。
そして、重ね合わせたマットの上に横になりながら、ドアの方に顔を向けていました。
「いつも水浴びをするあの泉に行こうかしら?」 と考えていたからです。
そこで彼女は、ドアの所に見知らぬ人がいるのに気付きました。
目の前に婚約者が!
そしてその男に目を向けると、しばらくの間じっと見つめていました。
それに加えて、これまで幾度も繰り返し聞かされてきた話しから、彼女には彼が誰なのかが判りました。
そこで彼女は、彼を家の中に招き入れようとしました。
しかしカウヒはそれを断り、彼女が外に出て来るよう求めました。
義理堅いカハラオプナ
さて、この女性はまだほんの幼い頃から、ずーっとこんな風に思い続けて来ました。
「自分はカウヒのものだ。そして、日々の食物でも世話になっているので、彼には恩義がある。」
そこで、彼女は躊躇(ちゅうちょ)することなく、彼の言葉に従ったのでした。
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina, p.118-132.