夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

083 カハラオプナ:(8) 義理堅いカハラオプナ


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(前回からの続き)

カウヒがカハイアマノに着いたのは、ちょうどお昼頃でした(*1)。

それから彼はすぐに、カハラオプナの家の前に姿を現しました。

 

カハラオプナの目覚め

その時、彼女はちょうど目を覚ましたところでした。

 

そして、重ね合わせたマットの上に横になりながら、ドアの方に顔を向けていました。

「いつも水浴びをするあの泉に行こうかしら?」 と考えていたからです。

 

そこで彼女は、ドアの所に見知らぬ人がいるのに気付きました。

 

 

目の前に婚約者が!

そしてその男に目を向けると、しばらくの間じっと見つめていました。

それに加えて、これまで幾度も繰り返し聞かされてきた話しから、彼女には彼が誰なのかが判りました。

 

そこで彼女は、彼を家の中に招き入れようとしました。

しかしカウヒはそれを断り、彼女が外に出て来るよう求めました。

 

義理堅いカハラオプナ

さて、この女性はまだほんの幼い頃から、ずーっとこんな風に思い続けて来ました。

「自分はカウヒのものだ。そして、日々の食物でも世話になっているので、彼には恩義がある。」

 

そこで、彼女は躊躇(ちゅうちょ)することなく、彼の言葉に従ったのでした。

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina, p.118-132.