(前回からの続き)
島の反対側に住む人々を集める
この知らせがカペエペエカウイラに届けられると、彼はすぐさま島の反対側に使者を送りました(*1)。
ケオネクイナからカラマウラまでの地域の、全ての人々を招集するためです(N.1)。
というのは、もう私たちは知っているように、彼は毛深い男でしたから、
その体中をおおう醜い毛を、取り除かないといけなかったのです。
2人はハウプの頂上に住み始める
ということで、人々がすべて到着すると、カペエペエカウイラは横になりました。
そこで人々は仕事に取りかかり、毛という毛が全て抜き取られるまで続けたのでした。
こうして、彼はヒナを妻に娶(めと)りました
そして彼ら2人は、ハウプの頂上に一緒に住んだのでした。
嘆き悲しむヒナの夫
かわいそうにもヒナの夫、ハカラニレオは伴侶を失って嘆き悲しみました。
--- 冬の長い夜も、そして夏のスコールが襲う夜も、いつも一緒だったのですから。
かと言って彼には、彼女を取り戻すことも出来ませんでした。
なぜならハウプの尾根は、天空まで伸びていたのですから。
彼は彼女を失った不幸を嘆き悲しみながら、
激しい苦悩に襲われ、ホコリにまみれて転がりました。
そして、背中の後ろで両手を組んだのでした。
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) ケオネクイナ(Keonekuina)、カラマウラ(Kalamaula):
ケオネクイナとカラマウラは、共にアフプアア(かつての土地区分)の名称で、モロカイ島の南岸に位置していました。
前者は島の東寄りですが後者は島の中央付近にあり、両者は20kmほど離れています。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.