(前回からの続き)
2度目の戦いの準備は万全
こうしてカナは遂に、太くたくましい体になりました(*1)。
そこで彼はもう一度、カペエペエカウイラと戦うために準備をしました。
食料はワイピオ渓谷から大量に取り寄せました。
準備が整(ととの)うと彼らは再びカヌーに乗り込み、やがてモロカイ島のハウプに戻って来ました。
ところで祖母のウリは、カナにあらかじめこう命じていました。
「まず始めに、ハウプにあるカマニの木の枝を全部、跡形もなく取っ払っちまうんだよ。」
頑強なカナがハウプに姿を現す
いよいよカナがハウプに姿を現しました。
そして前の時と同じように、再び上に向かって伸び始めました。
彼はどんどん伸び続け、やがて断崖絶壁を見下ろすようにそそり立ちました。
カペエペエカウイラの敗北
これを見たカペエペエカウイラは、またカマニの木の枝を切り落とそうと急ぎました。
そうすれば前と同じように、断崖絶壁が高くなる、と思ったからです。
ところがです、見て下さい。
無いのです、枝が1本残らず消えてしまったのです!
もうこれで一巻の終わりでした。
カペエペエカウイラが遂に敗北したのです。
今に残る 「カナの岩」
勝ち誇ったカナは、彼の姉妹であるモイを取り返しました。
可愛そうなハカラニレオには、彼の妻であるヒナを取り戻してあげました。
それからカナは、ハウプの断崖絶壁をばらばらに破壊しました。
残骸(ざんがい)の大部分は、海の中に蹴落(けお)とされました。
今でもそこには、幾つもの岩塊がそびえ立っています。
そして人々はこれを、 「カナの岩」と呼んでいます。
(終わり)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.