夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

068 カペエペエカウイラ (カナの岩):(11) 怪物たちを倒す


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(前回からの続き)

巨大な怪物がやって来る

しばらくすると、ニヘウが再び大声で呼びました(*1)。
「なんてこった、まただ、ワシら死んじまうぞ。

 

ほらこっちに、バカでかい怪物がやって来るぞ。

もし奴が襲って来たら、ワシらみんなお陀仏だぜ。」

 

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怪物魚の鼻を殴れ

そしてカナが言いました。

 

「さあ、しっかり見るんだぞ。

そしてあの尖(とが)った鼻が、カヌーの船首を横切る瞬間に、お前の杖で殴りかかるんだ。」

 

ニヘウは言われた通りにしました。

すると見て下さい! このバカでかいものは、何と怪物魚だったのです。

 

この怪物魚はカヌーに引き上げられ、彼らみんなの食料になりました。

それはあまりにも大きく重かったので、カヌーの縁は海水面すれすれまで下がりました。

 

大きく口を開いたサメ

彼らは、先へ先へと進み続けました。

 

そして、次に彼らの目に飛び込んで来たのは、大きく開いたサメの口、

その中には鋭い歯が並んでいました。

 

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さて、このハウプには外郭衛兵たちが数多くいました。

上の怪物魚も外郭衛兵でしたが、このサメもまたハウプを守る外郭衛兵でした。

彼は、カナやニヘウたちを待ち受けていたのです。

 

「お前の杖で殴り飛ばせ、」 とカナが命令しました。

ニヘウが殴ると、その鮫は死んでしまいました。

 

巨大な亀

次に彼らが出会ったのは、巨大な亀、これもまたハウプの衛兵でした。

 

眠そうにしていたカナは、また起こされてしまいました。

用心深く見張っていたニヘウが、叫び声を上げたからです。

 

そしてこの亀もまた、魔法の杖の一撃で殺されてしまいました。

 

これらはどれも皆、夜の間の出来事でした。

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.