夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

073 カペエペエカウイラ (カナの岩):(16) カナの力が尽きる

(前回からの続き)

カナがハウプの頂上を奇襲

「そうだ。」 と言って、カナは立ち上がりました(*1)。

 

戦いを前に、彼の一方の脚はケアウエア、そして他の足はカイパネアと命名されました。
そしてカヌー上で仁王立ちになると、カナは自分の体を上へ上へと伸ばし始めました。

 

それに気付いたハウプの頂上に住む人々は、恐ろしさの余り叫び声を上げました。

 

「わしら皆、死んじまうぞ!

ほら見ろ。バカでかい大男が、わしらの上にそそり立っているぞ。」

 

カペエペエカウイラの反撃

これを見たカペエペエカウイラは、急いでカマニの木の枝を切り落としました(N.1)。

ハウプの断崖絶壁を軽くすれば、断崖が隆起して高くなると考えたのです。

 

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こうして断崖絶壁は高くなり、またカナも体を伸ばしました。

 

カナの力が尽きる

カペエペエカウイラたちは死物狂いで枝を落とし続け、断崖絶壁はさらに高くなりました。

 

一方、カナもさらに体を伸ばして、背を高くしていきました。

しかし、カナの体は次第にやせ細り、バナナの葉の根元のようになりました。

 

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それでもまだ、彼は少しずつ体を伸ばし続けました。

そしてとうとう、蜘蛛(くも)の糸のように、細くなってしまいました。

 

最後にはカナが屈して、カペエペエカウイラに勝利を譲(ゆず)ったのでした。

(次回に続く)

 

(ノート)

(N.1) カマニ(kamani ) :

カマニはハワイ語名で、その和名はテリハボク、学名は "Calophyllum inophyllum"です。

常緑の高木で高さ8〜20mですが、30mを超す巨木になることもあるそうです。

ハワイでは神聖な木とされ、かつてはヘイアウ(神社)の周囲にも植えられました。

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.