夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

134 アフウラ:(8) 親族で再生を祝う


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(前回からの続き)

少女が生き返る

「きっと上手くいくぞ! 」 と、誰も彼もが希望に満ち溢(あふ)れていました(*1)。

そして一同こぞって、これまで以上に心を込めて、祈りを捧げました。

 

一方、霊の方は、両肘(ひじ)と両手首を通り抜ける時に、僅(わず)かながら最後の抵抗を試みました。

しかしその抵抗も、誇らしげに一致団結した祈りの力により、押し潰(つぶ)されてしまいました。

 

そして霊は祈りの言葉におとなしく従い、肉体と完全に一体になりました。

こうして、この少女は生き返ったのでした。

 

再生を祝う宴(うたげ)

彼女は、通常のお清めの儀式を、地元の神官にしてもらいました。

 

それが終わると、既に準備が整ったラナイ(上屋)に連れて行かれました。

そしてこの時に、カフナ(神官)、少女、両親そして親族たちが、めでたく再会したのでした。

 

それから、彼らは神々のために用意されたご馳走を、大いに楽しみました。

 

神々は奉納されたご馳走の、魂とも言える本質的部分だけを、吸い上げるとされていました。

そして、より大きく物質的部分は、信奉者たちに残すのです。

 

ですから信奉者たちは、しばらくの間、神々のお客様になるわけです。

 

娘はあなたのものです

 


ご馳走が終わると、次はフェザー クローク、カパ布、そしてファイン マットの番です。

これらの品々が上屋に運び込まれ、エレイオの前に並べられました。

 

 

そして、父親が彼に言いました。

 

「あなたが生き返らせたこの女性は、あなたのものです。

どうか彼女を妻にめとり、私たちと共にこの地に、とどまって下さい。

 

そうすれば、あなたは私たちの息子になるでしょう。

そして私たちが娘に注ぐ愛を、あなた方2人で均等に分かち合うでしょう。」

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 14. Ahuula ; A Legend of Kanikaniaula and the First Feather Cloak, Mrs. E. M. Nakuina, p.147-155.