(前回からの続き)
カナがハワイ島コナに横たわる
ニヘウは、カナが敗れたと知ると、こう叫びました(*1)。
「ハワイ島のコナを目ざして、横になるんだ
そう、あんたの祖母ウリが居る所だよ。」
そこでカナは、長く伸ばした体を、コナの地に横たえました。
しかし彼の両足は、モロカイ島に残したままでした。
祖母の食べ物でぽっちゃり太る
コナにいた祖母は、カナにせっせと食べ物を与えました。
お陰で彼は再び、「肉付きが良い太っちょ」 に戻りました。
その間、かわいそうなニヘウはモロカイ島で、カナの両足をじっと見ていたので、
カナの足にふっくらと肉が付き、太くなるのを目の当たりにしました。
怒ったニヘウの仕返し
一方、ニヘウは食べる物も無く、極度に飢えた状態でした。
「それじゃあ、」 とニヘウが言いました。
「カナよ、あんたは食べ続けて、ぶくぶく太ってきたが、
ワシは腹が減って死にそう、と言うことだな!」
そして、ニヘウはその仕返しに、何と、カナの片足を切り落としてしまったのでした。
カナの体に痺(しび)れが走る
その激痛はカナの脚をじわじわと伝わり、ハワイ島のコナに横たわる、胴体そして頭に達しました。
そこで、カナが祖母ウリに言いました。
「私の体を、じわじわと痺(しび)れが伝わるように、感じるんです。」
これに答えて、ウリが言いました。
「お前の弟もお腹が空いたんだよ、--- じっと見ていたんだからネ。
お前の両足にふっくらと肉が付くのを見て、その中の一つを、彼が切り落としたんだよ。
だから痺れるんだよ。」
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.