夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

074 カペエペエカウイラ (カナの岩):(17) カナが太りニヘウは怒る


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(前回からの続き)

カナがハワイ島コナに横たわる

ニヘウは、カナが敗れたと知ると、こう叫びました(*1)。

 

「ハワイ島のコナを目ざして、横になるんだ

そう、あんたの祖母ウリが居る所だよ。」

 

そこでカナは、長く伸ばした体を、コナの地に横たえました。

しかし彼の両足は、モロカイ島に残したままでした。

 

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祖母の食べ物でぽっちゃり太る

コナにいた祖母は、カナにせっせと食べ物を与えました。

お陰で彼は再び、「肉付きが良い太っちょ」 に戻りました。

 

その間、かわいそうなニヘウはモロカイ島で、カナの両足をじっと見ていたので、

カナの足にふっくらと肉が付き、太くなるのを目の当たりにしました。

 

怒ったニヘウの仕返し

一方、ニヘウは食べる物も無く、極度に飢えた状態でした。

「それじゃあ、」 とニヘウが言いました。

 

「カナよ、あんたは食べ続けて、ぶくぶく太ってきたが、

ワシは腹が減って死にそう、と言うことだな!」

 

そして、ニヘウはその仕返しに、何と、カナの片足を切り落としてしまったのでした。

 

カナの体に痺(しび)れが走る

その激痛はカナの脚をじわじわと伝わり、ハワイ島のコナに横たわる、胴体そして頭に達しました。

 

そこで、カナが祖母ウリに言いました。

「私の体を、じわじわと痺(しび)れが伝わるように、感じるんです。」

 

これに答えて、ウリが言いました。

「お前の弟もお腹が空いたんだよ、--- じっと見ていたんだからネ。

 

お前の両足にふっくらと肉が付くのを見て、その中の一つを、彼が切り落としたんだよ。

だから痺れるんだよ。」

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.