(新しいお話の始め)
ペレの伝説は火山だけじゃない
ハワイの伝説の中では、火山の噴火はどれも皆、女神ペレに関連しています(*1)。
しかし、この有名な女神ペレに係わる伝説は、火山だけではありません。
少し奇妙に思えますが、その昔ハワイを襲った大洪水も、ペレの仕業(しわざ)だ、と伝えられているのです。
大洪水の伝説は世界各地にあり、またそのお話しの内容も多彩です。
しかし太平洋のこの地域では、ペレの行動に関連したものが多いようです。
それでは早速(さっそく)、ペレと大洪水のお話しを始めましょう。
ペレと家族たち
ペレの母はカヒナリイ、そして、父はカネホアラニと言う名前でした。
また、2人の兄弟の名は、カモホアリイとカフイラオカラニでした。
そして、ペレが生まれたのは、ハパクエラと言う場所でした。
そこは、ハワイからは大変離れており、大空の南西方向の端っこにありました。
ペレは両親と一緒にそこで暮らし、成長していきました。
結婚するも夫が消えた
大人になったペレはワヒアロアと結婚し、2人の子供が生まれました。
1人は女の子でラカ、そして、もう1人は男の子でメネフネ、と名付けられました。
しかし、しばらくすると、夫ワヒアロアはペレクムラニに誘惑され、ペレの前から姿を消してしまいました。
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, III. Pele and the Deluge ,REV. A. O. FORBES, p.36-38.