夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

121 オアフヌイ:(8) 夢か? それとも亡霊?


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(前回からの続き)

枕元に息子たちが現れる

かなり夜が更けてから、その日の仕事に疲れたレフアヌイは、横になって休みました(*1)。

 

そしてほんの少しの間だけ眠った、その時でした。

枕元に2人の息子たちが立っているのを、見たような気がしたのです。

 

年上の息子が語る

年上の子が、彼に話しかけて来ました。

「なぜ眠っているの、お父さん?

 

お父さんがここに下りて来ている間に、

僕らは食べられちゃってるんだよー。お父さんの義弟の、あの王様に。

 

僕らは調理されて、ぺろりと食べ尽くされちゃったんだ。

 

そして今、僕らの頭蓋骨は網に入り、レフアの木の枝にぶら下がっているんだ。

そう、お父さんの名前が由来する、あのレフアだよ。

 

また残りの骨は束にして縛られ、その木の下に埋められているんだ。

そうだよ、日が沈む方向に伸びている、あの大きな根の傍(かたわ)らだよ。」

 

 

夢か? それとも亡霊?

それから、彼らは少しずつ薄れて消えていったようでした。

我に返ったレフアヌイは、恐怖のあまり震えながら飛び起きました。

 

一体何が起きたのか、彼にはほとんど分かりませんでした。

自分はただ夢を見ていたのだろうか? 

 

いやそれとも、本当に幼い息子たちの亡霊を見たのだろうか?

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 13.Oahunui. Mrs.E.M.Nakuina, p.139-146.