夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

030 火の起源:(1) 漁に出る


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(新しいお話しの始め)

4人のマウイ兄弟たち

マウイとヒナは一緒に住んでいました(*1)。

そして2人の間に、4人の男の子が生まれました。

彼らの名前は、マウイ・ムア、マウイ・ホペ、マウイ・キイキイ、そしてマウイ・オ・カ・ラナでした(N.1)。

 

日の出と共に漁場に向かう

彼ら4人は漁師でした。

 

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ある朝、太陽の上端がほんの少し見え始めた、ちょうどその時、

魚を捕りに行こうとして、マウイ・ムアが兄弟たちを起こしました。

 

彼らはマウイ島のカウポに住んでいたので、

その砂浜からカヌーを出して、漁場に向けて進みました。

 

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ほら! 岸辺に火が見える

漁場に着いた彼らは、漁(りょう)の準備を始めました。

その時、マウイ・オ・カ・ラナは、岸辺が明るいことに気付きました。

彼らが後にしたあの岸辺に、明かるく燃える火が見えたのです。

 

彼は兄弟たちに、こう言いました。

「よく見て、あそこで火が燃えているよ。

あの火は、一体、誰のだろう?」

 

まず最初に魚を捕ろう

兄弟たちは、答えました。

「本当だ、誰の火なんだろう?

あの岸辺に戻ろう、あの火があれば、食べ物を焼いたり蒸したり出来るぞ。

 

だけどまず最初に、みんなで魚を捕ろうよ。」

(次回に続く)

 

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(ノート)

(N.1) Maui-mua(マウイ・ムア):

前のお話し 「Ⅰ. 太陽を捕まえる」では、主人公のマウイはヒナの息子でした。

しかしここではヒナの息子が4人も登場し、主役はその中の1人、マウイ・ムアです。「ムア(mua)」 = "oldest"なので最年長、すなわち長男です。

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅱ. Exploits of Maui. Rev. A.O. Forbes, Ⅱ. The Origin of Fire, p.33-35.