夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

029 太陽を捕まえる:(4) モエモエは岩に変わる


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(前回からの続き)

次はモエモエだ

「昼を長くする」ことに成功すると、マウイはその足でモエモエを探しに行きました(*1)。

そうです、以前、彼を嘲(あざけ)ったあの男です。

 

ところが、モエモエは家に居ませんでした。

 

遂に見つけたぞ

それでもマウイは、彼を追いかけ続けました。

 

そして遂に彼を見つけたのが、カワイオピロピロという場所の海岸でした。

そこはラハイナの北、ケカアと呼ばれる黒い岩の東方です(N.1)。

 

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岩になって今も残る

モエモエはマウイをかわそうと、丘を駆け上がったり駆け下りたりしました。

そして遂に、マウイは怒り狂ってモエモエに飛びかかり、彼を殺してしまいました。

 

その死体は一つの細長い岩に変えられました。

そしてその岩は、今でもそこにあります。

ほら、その道の脇(わき)を見てご覧なさい。

(終わり)

 

(ノート)

(N.1) ケカア(Kekaa):

ケカア すなわち プウ・ケカア(Pu'u Kekaʻa) は、黒い岩(Black RocK)とも呼ばれています。

今ではマウイ島有数の人気観光スポットで、シェラトン・マウイ・ホテルの敷地内にあります。

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales,Ⅱ.Exploits of Maui. Rev.A.O.Forbes, Ⅰ. Snaring the Sun, p.31-33.