(前回からの続き )
夢見るウア
そして、この英雄が飛び込んだ時、ある人が彼の近くにいました(*1)。
それは温厚で髪の毛がクラスター・カールの、ウアでした。
彼女はこの首長を愛していました。
彼の歩みが海に遮(さえぎ)られ、荒狂う水がうめく中で、彼がうめき声を上げました。
その時、彼女は心の底からこう願ったのでした。
「もう一度、彼に高地の林に戻って欲しいわ。
そこで私は彼のために花輪を編み、彼の手足を癒(いや)し、そして、彼の頭を私の膝に持たれかけさせてあげましょう。」
カアイアリイが飛び込む
しかし彼は死のダイビングを決行すると、もはや姿を現わすことはありませんでした。
ウアはカアイアリイのために、大声で泣き叫びました。
この激しく襲いかかり泡立つ海から、首長が生きて返って来るとは、とても考えられません。
そこで彼女は、こう叫びました。
「アウウェ カ マケ! (ああ、彼は死んでしまった!)」
カアラはあの洞窟にいる
そこで彼女は、大きく甲高い声を上げて泣き叫び、また髪をかきむしって頭を抱え込みます。
そして断崖絶壁を超えて走ると今度は海辺へ駆け下りて、ケアリアのタブーの地まで戻って来ました。
彼女はそれから、ずーっと大声で泣き叫びながら、カメハメハの足元に身を投げ出しました。
大王は、彼の若い首長を失ったことをウアから聞いて、深く悲しみました。

しかし、近くに控えていた神官のパパルアは、こう言いました。
「おお、天上そして全ての島々の首長である大王よ。
そこ、カアイアリイが飛び込んだその場所には、オプヌイの海の隠れ家があります。
そして大王の勇敢な長槍使いは、あの亀について行けば、深海にある彼の隠れ場所に行けます。
ですから、彼はその洞窟の入口を知ることが出来るでしょう。
そして私が思うに、彼はその中で、失った愛する人カアラ、すなわちパラワイの花、を見つけるでしょう。
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales. 15.Kaala and Kaaialii, A Legend of Lanai, W.M. Gibson, p.156-180.