(前回からの続き)
予言者のテストを王が許可する
王のお許しが出て、このテストが行われました。
王は最高位の首長たちを周囲に控えさせて、これに立ち会いました。
また、このテストを一目見ようと、数え切れない程の人々が、島の隅々から集まりました。
カハラオプナの一行がテストを知る
カハラオプナの一行が、テストの現場に向かっている時のことでした。
守護神たちが、あの「アぺの葉テスト」の情報を彼女に伝え、こう忠告しました。
「それらの葉を、思いっきり強く踏みつけて、引き裂くのです。」
と言うのは彼女たちは霊なので、葉の上に座っても、恐らく引き裂くことは出来なかったでしょう。
ですから、もしも誰かが守護神たちに注意を向けたら、それはもう大変だったでしょう。
彼女らは霊であることが見破られて、ポエ・ポイ・ウハネ(霊を捕える者)に殺されたでしょう(N.1)。
彼女は人間だ、だが霊の気配がする
さてその若い女性カハラオプナは、テストで求められたことを忠実に実行しました。
カエアは、テストで引き裂かれた葉を見て、こう言いました。
「彼女は明らかに人間だ。
だが、霊たちがいる気配もあるので、その警戒を続けよう。
霊たちはその女性と、きっと何かでつながっているから。」
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) ポエ・ポイ・ウハネ(poe po-i uhane):
ポエ・ポイ・ウハネ は 3つの語から合成されたハワイ語で、各々、 po'e = 人々、po'i = 両掌(てのひら)で捕える、'uhane = 霊、を意味します。
従って、ポエ・ポイ・ウハネとは 「霊を捕える人 」を意味するハワイ語で、この語を英語表記すると "spirit catchers"となります。なお最初のポエを省略した、ポイ・ウハネ(po'i 'uhane) 、も同じ意味の語です。
かつてのハワイではこのポイ・ウハネは、霊を見ることが出来る上に、両手で捕えることも出来るとされていました(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina, p.118-132.
(*2) M.K.Pukui et al.(1979) : Look to the source, Vol. I, Queen Lili'uokalani Children's Center, p.194.