(前回からの続き)
ワイキキで大暴れ
ワイキキにいる間、「あかんべーの男たち」 は勝手気ままに振る舞い、
「あの有名な美女を口説き落とした。」 と豪語して回ったものでした(*1)。
そして、着飾っていた彼らのレイを見せつけては、
「カハラオプナからの愛の贈り物だ。」と、大ぼらを吹いていました。
島じゅうのサーファーたちが集まる
さて、かつてワイキキにはカレフアウェヘと呼ばれる、有名なサーフ・ポイントがありました(N.1)。
波の状況が良くなると、この島のありとあらゆる場所から、人々がここにやって来て、あの素晴らしいスポーツを楽しむのでした。
カハラオプナの婚約者である、カウヒもその中の一人でした。
カウヒの耳にも彼女の噂が
一方、カウヒがカハラオプナと結婚する日は、どんどん近づいていました。
しかし彼は未だ一度も、彼女と会ったことがありませんでした。
そんな中で、2人のマカヘレイ(あかんべー)の男たちの豪語が、彼の耳にも聞こえて来ました。
「あの有名な美女を口説き落とした。」
(次回に続く)
(ノート)
(N.1) カレフアウェヘ(Kalehuawehe):
カレフアウェヘはオアフ島のワイキキにあり、古くから知られるサーフ・ポイントです。オアフ島サウスショアの中では最も波が大きいことで有名です。 なお、現在は キャッスルズ(Castles) と呼ばれています(*2)。
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅺ. Kahalaopuna, Princess of Manoa. Mrs. E.M. Nakuina, p.118-132.
(*2) M.K.Pukui et al.(1974): Place Names of Hawaii, Revised & Expanded Edition, p.76.