夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

062 カペエペエカウイラ (カナの岩):(5) 英雄にも頼れない

(前回からの続き)

ニウロイヒキに会う

こみ上げる悲しみを露(あら)わに、ハカラニレオはさらに進みました(*1)。

そしてやって来たのは、あの有名なニウロイヒキの所でした。

 

彼は前の時と同じように、ニウロイヒキの問いに答えながら、

これまでの経緯(いきさつ)を説明しました。

 

しかしニウロイヒキの答えは、こうでした。

 

「そりゃー、まさに絶望的だぜ。

よく見るんだ! あのハウプはめっちゃ高いんだぞ。」

 

f:id:o_hanashi:20220212182819j:plain

 

カウルと会う

そこでハカラニレオは再び、もっとパワフルな男を見つけようと、あちこち探し回りました。

そして3番目に会った有名な男、それがカウルでした。

 

ハカラニレオは前の時のように、尋ねられては答えて事の次第を話しました。

 

するとカウルは自分のパワーを見せつけようとして、一つの川をひっ掴(つか)むと、

その流れを捕らえ堰(せ)き止めてしまいました。

 

しかし、ハカラニレオは悲しげな声で言いました。

「まだまだパワーが足りない。」

 

ロノカエホと会う

目に涙を溢(あふ)れさせながら、ひたすら勇者を探し続けたハカラニレオは、やがて4番目の英雄の所にやって来ました。

その英雄の名はロノカエホです(N.1)。

 

しかし、やはりここでも、これまでと同じことでした。

このロノカエホもまた、ハカラニレオを満足させるには、ほど遠い男だったのです。

 

もうお終(しま)いだ

彼が知る「最高の勇者たち」は、この4人で全てでした。

それなのに4人が4人共、揃(そろ)って彼の期待を裏切ったのでした。

 

もうこれでお終いでした。

彼は悲しそうに、山の森の方角に向きを変えて、家に戻ろうとしました。

(次回に続く)

 

(ノート)

(N.1) 英雄(hero):

ハカラニレオは次々と英雄たちを訪(たず)ね、これまでに全部で4人、すなわちカマララワル、 ニウロイヒキ、カウル、そしてロノカエホと会っています。

彼らはいずれも、クプア(Kupua) もしくは 半神(demi-god) とも呼ばれる、超自然的な存在(supernatural entities)です(*2)。

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.

(*2) Martha Beckwith(1970): Hawaiian mythology, Mok.33 The Kana Legend, (c) Forbes version, p.466.