夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

043 ペレとカハワリ:(5) 亀裂を越え妹に会う


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(前回からの続き)

地面の亀裂を渡る
溶岩の塊が、近くに転がって来ます(*1)。
カハワリはその中を、走り続けていました。

 

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ところがある時、地面に生じた深い亀裂(きれつ)に、行く手を阻(はば)まれてしまいました。

彼は、持っていた幅広の槍(やり)を亀裂の上に置き、
その上を歩くことで、無事に亀裂を渡ることが出来ました。

 

友達を助ける
しかし、彼の友達が大声で助けを求めていました。

カハワリは亀裂の向こう側に、槍を差し伸べました。
そして仲間がしっかりと握ると、その槍を慎重に引き寄せました。

一方、女神ペレの方は と言うと、
この亀裂の中を、速度を増しながら下り、迫っていました。

 

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妹に会う
カハワリは、クラに着くまで走りました。
彼はここで、妹のコアイに会いました。

しかし時間が無くて、これしか言えませんでした。
「アロハ・オエ! (ああ、悲しいかな!) (N.1)」

そしてそれから、海辺に向かって走り続けたのでした。

(次回に続く)

 

(ノート)

(N.1) アロハ・オエ(Aloha oe);
原文は, "Aloha oe!" (Alas for you!)、 と記されています。前半はハワイ語、後半(カッコ内) が英語訳です。
なお、前回(101回)、母に呼びかけた時の原文は、"Aloha--" (Compassion--) 、ですから、 "Aloha" の意味合いが、両者で若干異なります。

 

(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali, From Ellis's "Tour of Hawaii", p39-42.