(前回からの続き)
ペレの溶岩流が迫る
カハワリは、コースの終点まで滑り降りて、立ち上がりました(*1)。
そして後(うし)ろを振り向くと、女神ペレの姿が見えました。
雷と稲妻、地震、そして燃え上がる溶岩の流れを引き連れて、
ペレは彼のすぐ近くに迫っていました。
逃げろ!
カハワリは、幅広の槍を地面から引き抜きました。
競争を始める時に、地面に突き刺したものです。
そして友達を連れて、命からがら逃げ出しました。
フラの奏者や踊り子たち、そして大観衆は、燃え上る激流にたちまち圧倒されました。
その先端に激怒したペレを乗せ、カハワリと彼の仲間を追い続けていたからです。
プウケアの高台に登る
彼らは走り続けて、プウケアの高台までやって来ました。
ここでカハワリは、キ―・リーフを編んだマントを脱ぎ捨てました。
そして、海岸近くにある、彼の家に向かって進みました。
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali, From Ellis's "Tour of Hawaii", p39-42.