夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

041 ペレとカハワリ:(3) ペレの溶岩流が迫る


スポンサードリンク

(前回からの続き)

ペレの溶岩流が迫る

カハワリは、コースの終点まで滑り降りて、立ち上がりました(*1)。

そして後(うし)ろを振り向くと、女神ペレの姿が見えました。

 

f:id:o_hanashi:20210820182504j:plain

 

雷と稲妻、地震、そして燃え上がる溶岩の流れを引き連れて、

ペレは彼のすぐ近くに迫っていました。

 

逃げろ!

カハワリは、幅広の槍を地面から引き抜きました。

競争を始める時に、地面に突き刺したものです。

 

そして友達を連れて、命からがら逃げ出しました。

 

フラの奏者や踊り子たち、そして大観衆は、燃え上る激流にたちまち圧倒されました。

その先端に激怒したペレを乗せ、カハワリと彼の仲間を追い続けていたからです。

 

プウケアの高台に登る

彼らは走り続けて、プウケアの高台までやって来ました。

 

f:id:o_hanashi:20210820182646j:plain

 

ここでカハワリは、キ―・リーフを編んだマントを脱ぎ捨てました。

そして、海岸近くにある、彼の家に向かって進みました。

(次回に続く)

 

(注記)

(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅳ. Pele and Kahawali, From Ellis's "Tour of Hawaii", p39-42.