夢の国ハワイの昔話

ハワイには長く口承されてきた昔話があります。ここでは、それらを少しずつご紹介していきます。

064 カペエペエカウイラ (カナの岩):(7) カナを訪ねる

(前回からの続き) ハカラニレオがやって来る と言うことで、彼ら2人は出かけました(*1)。 しかし、ニヘウは父の先に進み出ると、そのままどんどん走り続けました。 そして、ウリが育てた男・カナに、こう伝えました(N.1)。 「見て! あそこにハカラニレオがや…

063 カペエペエカウイラ (カナの岩):(6) ニヘウが父を連れ戻す

(前回からの続き) ニヘウが噂を聞きつける そうこうするうちに この噂が、『ならず者』の異名を持つ、ニヘウの耳に入りました(*1)。 「一人のオヤジが、この道を通って行ったぜ。 そいつは誰か出来る奴、そいつの妻を取り返せる勇者、を探していたよ。」 ニヘ…

062 カペエペエカウイラ (カナの岩):(5) 英雄にも頼れない

(前回からの続き) ニウロイヒキに会う こみ上げる悲しみを露(あら)わに、ハカラニレオはさらに進みました(*1)。 そしてやって来たのは、あの有名なニウロイヒキの所でした。 彼は前の時と同じように、ニウロイヒキの問いに答えながら、 これまでの経緯(いき…

061 カペエペエカウイラ (カナの岩):(4) カマララワルと石

(前回からの続き) カマララワルに出会う それ以来、彼は妻を取り戻せそうな、パワフルな人を探して、あちこち出かけました(*1)。 あてもなく放浪する中で、彼が最初に訪(たず)ねたのはカマララワル、 力持ちで勇気がある、と評判の男でした。 この男は、悲し…

060 カペエペエカウイラ (カナの岩):(3) 嘆き悲しむヒナの夫

(前回からの続き) 島の反対側に住む人々を集める この知らせがカペエペエカウイラに届けられると、彼はすぐさま島の反対側に使者を送りました(*1)。 ケオネクイナからカラマウラまでの地域の、全ての人々を招集するためです(N.1)。 というのは、もう私たちは…

059 カペエペエカウイラ (カナの岩):(2) あなたの妻になりましょう

(前回からの続き) この伝説は、次のように伝えられています(*1)。 ペレクヌ渓谷にヒナがやって来た ケアホレは父、ヒイアカ・ノホラエは母、そしてカペエペエカウイラは息子でした。 このカペエペエカウイラは毛深い男で、ハウプの尾根に住んでいました。 そ…

058 カペエペエカウイラ (カナの岩):(1) モロカイ島北岸のハウプ

(新しいお話しの始め) モロカイ島北岸の断崖と渓谷 モロカイ島北側の海岸には、黒い岩が切り立つ断崖絶壁があります(*1)(N.1)(N.2)。 それは 島の東端から始まって30Km近く続き、高さは240mから600mまで変化しています。 海と対峙(/たいじ)しつつ延びる、こ…

057 ヒクとカウェル:(12) カウェルの目覚め

(前回からの続き) カウェルの目覚め カウェルは遂(つい)に意識を取り戻しました(*1)。 そして愛するヒクが彼女の方に、優しく身をかがめているのを見て 唇を開いてこう言いました。 「私を置き去りにするなんて、どうしてそんなに冷たくなれるの?」 「死者…

056 ヒクとカウェル:(11) ロミロミと生命の息吹

(前回からの続き) かけがえのない荷(カウェルの魂)を携えて、彼らはホルアロアの海岸に戻って来ました(*1) 上陸するとすぐに、ヒクは愛する人の体がまだ置かれている建物に行きました。 カウェルの魂を肉体に閉じ込める その体の横に膝まづくと、彼は左足の…

055 ヒクとカウェル:(10) カウェルの霊を連れ戻す

(前回からの続き) 王の許しで 2人でブランコに乗る ヒクとカウェルはお互いに、相手が愛する人であると気付きました(*1)。 そこでミル王のお許しを得ると、彼女は矢の如く彼の元へ飛んで行きました。 そしてコワリ(ブランコ)に乗ると、彼と一緒に揺らせたの…

054 ヒクとカウェル:(9) 死者の世界

(前回からの続き) 死者の世界に入る やがてヒクは、とてつもなく大きな洞窟に入りました(*1)。 そこには、死者たちの霊が寄り集められていました。 ヒクが霊たちの間に入って行くと、彼らは好奇心にかられました。 「一体、この男は何者なんだろう?」 ヒクの…

053 ヒクとカウェル:(8) 地の底に向けて出発!

(前回からの続き) 海の果てに着く 山のように荷物を積み込んだカヌーに乗って、ヒクは仲間たちと一緒に出発しました。 めざすは、はるか彼方の海の一点、大空が上から下りて来て、海と出会う所です。 その地点に着いた彼は、これから苦楽を共にする仲間たち…

謹賀新年

新年おめでとうございます。 今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

052 ヒクとカウェル:(7) コワリのつると死臭のオイル

(前回からの続き) コワリの蔓(つる)を集める ヒクは、カウェルの友達たちに手伝ってもらいながら、 山の斜面から膨大な量のコワリ、すなわちセイヨウヒルガオ属の蔓(つる)、を集めました(*1)(N.1)。 ココナッツの殻を用意する 彼はさらに、中空のココナッツ…

051 ヒクとカウェル:(6) 真の愛がヒクを動かす

(前回からの続き) 悲しみに打ちひしがれるカウェル ヒクが逃げ出したことを知ると、彼に夢中だったカウェルは 深い悲しみに襲われて、気が狂いそうになりました(*1)。 彼女は周囲の人々の、慰めの言葉を聞こうともしません。 その上、食べ物を何一つ口にしま…

050 ヒクとカウェル:(5) カウェルの深い愛

(前回からの続き) 心を奪われたカウェル この「矢探しごっこ」でのヒクの快挙、そしてこの青年の際立った気品と美貌が、 王女の心をすっかり掴(つか)んでしまったのでした(*1)。 やがて彼女は、彼への強く激しい情熱に、取り憑(つ)かれてしまいました。 そして…

049 ヒクとカウェル:(4) 矢はカウェルの足元へ

(前回からの続き) 矢はカウェルの足もとへ それからヒクはホルアロアの村に近づきながら、再び、あの矢プア・ネを放ちました(*1)(N.1)。 すると矢は元気いっぱい大空を飛び、ある中庭に入りました。 そこはコナのアリイ、すなわち首長、のお屋敷の中でした。 …

048 ヒクとカウェル:(3) 不思議な矢プア・ネが飛ぶ

(前回からの続き) プア・ネがカイルアへ飛ぶ ヒクは、遠く離れたある丘の上に立ちました(*1)。 そして彼の不思議な矢、プア・ネに助言を求めようと 大空のはるか彼方(かなた)に、矢を放ちました。 鳥のように飛ぶ様子をじっと見つめていると 矢はカイルア上方…

047 ヒクとカウェル:(2) 山頂から平原をめざす

(前回からの続き) 海辺でおしゃべりしたい! 長い年月が経ち、今やヒクは 「自分は一人前の男だ」、と思うようになりました(*1)。 そして、浮かれ騒ぐ笑い声が耳に入った時、彼は再び母に頼みました。 「自分一人で行かせて下さい。あの海辺の人たちと、おしゃ…

046 ヒクとカウェル:(1) フアラライの山頂に住む

(新しいお話しの始め)フアラライの山頂に住む ハワイ島のフアラライ山頂からそう遠くない、尾根筋の南側に洞窟がありました(*1)(N.1)(N.2)。 その洞窟には、ヒナと彼女の息子が住んでいました。息子はクプア、すなわち半神で、その名をヒクと言いました(N.3)…

045 ペレとカハワリ:(7) オアフ島へ

(前回からの続き) クムカヒ(東風)に乗る カハワリが海辺から少し漕ぎ進むと、 突然、クムカヒ(東風)が吹き始めました(*1)(N.1)。 彼は幅広の槍をまっすぐ上向きに立てて、カヌーの中に固定しました。 その槍に、マストと帆の二役をさせようとしたのです。 そ…

044 ペレとカハワリ:(6) ペレが襲いかかる

(前回からの続き) カハワリはカヌーを漕ぎ出す カハワリの弟は、ちょうど魚捕り用のカヌーから、降りた所でした(*1)。 そして、家族の安全を守ろうとして、彼の家に急いでいました。 カハワリが着いたのは、その時でした。 カハワリと彼の友達は、そのカヌー…

043 ペレとカハワリ:(5) 亀裂を越え妹に会う

(前回からの続き) 地面の亀裂を渡る溶岩の塊が、近くに転がって来ます(*1)。カハワリはその中を、走り続けていました。 ところがある時、地面に生じた深い亀裂(きれつ)に、行く手を阻(はば)まれてしまいました。 彼は、持っていた幅広の槍(やり)を亀裂の上に…

042 ペレとカハワリ:(4) 家族に声をかける

(前回からの続き) 母に危険を知らせる カハワリは、彼が大好きな豚に会いました(*1)。そこで鼻と鼻をくっつけ合って、ご挨拶をしました(N.1)。 それから、母が住んでいるクキイの家へ走りました。そして、鼻をつけ合わせて挨拶すると、こう言いました。 「ア…

041 ペレとカハワリ:(3) ペレの溶岩流が迫る

(前回からの続き) ペレの溶岩流が迫る カハワリは、コースの終点まで滑り降りて、立ち上がりました(*1)。 そして後(うし)ろを振り向くと、女神ペレの姿が見えました。 雷と稲妻、地震、そして燃え上がる溶岩の流れを引き連れて、 ペレは彼のすぐ近くに迫って…

040 ペレとカハワリ:(2) ペレの怒りが爆発する

(前回からの続き) あなたのそりが欲しい 再びスタートする前に、ペレはカハワリに、あなたのパパ・ホルア(そり)を下さい、と頼みました(*1)。 しかしその時のカハワリには、目の前の女性が女神ペレだとは、想像すら出来ませんでした。 その風貌(ふうぼう)から…

039 ペレとカハワリ:(1) そり滑りが始まる

(新しいお話しの始め) そり滑りに出かけるその昔、ケアリイクキイと言う王様が、ハワイを治めていた頃のことです(*1)。ハワイ島東部のプナに、カハワリと言う首長がいました。 ある日、カハワリは大好きな仲間と一緒に、ホルア(そり)を楽しみに出かけました…

(2) 女神ペレ:2) ペレとカハワリ

目 次 (1) そり滑りが始まる (2) ペレの怒りが爆発する (3) ペレの溶岩流が迫る (4) 家族に声をかける (5) 亀裂を越え妹に会う (6) ペレが襲いかかる (7) オアフ島へ 出典:Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, IV.Pele and Kahawali. From Ellis's…

(2) 女神ペレ:1) ペレと大洪水

目 次 (1) ペレの誕生・結婚 (2) 海を従えてハワイへ (3) ハワイが海に沈む (4) 火口を渡り歩く 出典:Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, III.Pele and the Deluge, Rev.A.O.Forbes, p.36-38. (ご参考) これ以外にも、ハワイには多くの昔話があり…

038 ペレと大洪水:(4) 火口を渡り歩く

(前回からの続き) カウアイ島からモロカイ島へ ハワイの地に初めて到着したペレは、まずカウアイ島に住みました(*1)。そしてそこから、彼女はモロカイ島のカラウパパに移りました(Fn.(1) )。彼女が住んだのは、半島の付け根近くにある、カウハコの火口の中で…