(前回からの続き)
母ヒナが住む家に押し入る
3回目の挑戦で、ニヘウはようやく上陸に成功しました。
そして、そのままハウプの頂上まで登りました。
ヒナが住んでいる家ハレフキに着くと、彼はすぐさま中に入りました。
「お前、なぜ入ったんだ? このドアは立入禁止だぞ。」 と問われて、彼はこう答えました。
「何故って、あんたさ。あんたがこのドアから入るのを見たからさ。
もしあんたがどこか他から入っていりゃあ、ワシだってこのドアから入らなかったさ。」
ニヘウがヒナを連れ出す
これは一体、 何としたことでしょう!
カペエペエカウイラとヒナが、目の前に座って居るではありませんか!
ニヘイはいきなりヒナの手をつかむと、こう言いました。
「どうか、私ら2人を行かせて下さい。」
そして彼女は立ち上がり、2人は出て行ったのでした。
今こそ戦う時ですよ!
彼らが断崖の崖っぷちに向けて進み、あと半分ほどという時、カペエペエカウイラは大声で叫びました。
「これは一体どうしたことだ? あの女性ヒナは行ってしまったのか?」
すると、カナの姉妹のモイが、答えて言いました。
「もしもあの女性に居て欲しいなら、まさに今がその時です。
さあ、あなたと私で戦うのです。」
(次回に続く)
(注記)
(*1) Thomas G. Thrum(1907): Hawaiian Folk Tales, Ⅷ. Kapeepeekauila; or, The Rock of Kana. Rev. A.O. Forbes, p.63-73.